フリーターをバカにする正社員に伝えたいこと

2018年2月10日

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先日、労働について調べごとをしていたときに、正社員がフリーターをバカにするような発言がたくさん見受けられました。フリーターをバカにする正社員に対して、僕のフリーター経験から、フリーターをバカにすることは、未来の自分自身を苦しめる可能性が潜んでいることを伝えたいと思い、そのことについて書いています。

フリーターである自分との出会い

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まずは、僕がフリーターになった経緯を書きます。

当時の僕は、学校を卒業してから2社目の会社に正社員として勤めていましたが、会社員として毎日働くことをとても不満に思っていました。どうすれば今の生活を抜け出せるのか。そんなことを毎日考え、僕が出した答えは、「起業」です。

しかし、僕には「起業」するためのスキル、アイディア、人脈、資金、全てがない。そんな僕に出来ることと言えば、毎晩、「起業」について書かれている本を読み、叶いそうにもない夢を見ることだけでした。

そんな日々の中で、僕をフリーターに変えることになる、ある1冊の本と出会いました。その本は、たしか、「誰でも出来るアフィリエイトで今すぐ起業」みたいなタイトルだったと思います。内容は、毎日ブログを更新し、そのブログに広告を貼ると、3ヶ月後には、月収50万円の収入が得られるというものです。その本を読んだ後の僕は希望に満ち溢れていました。これなら僕にも出来る。すぐさま、その本に書かれている内容の実践に取り掛かりました。

正社員として働きながら、本に書かれている内容を実践し、1ヶ月ほど経過したある日、ついに収入を得ることが出来ました。1ヶ月間、毎日2時間を掛けてブログを更新することで得られた収入は、なんと、「285円」でした。約60時間を費やして、得られた収入は285円。時給換算すると、5円未満です。普通に考えれば、この流れで3ヶ月後に月収50万円は無理であることは明白ですが、「285円」という少額でも、会社を通さないで収入を得られたことに舞い上がっていた僕は、「よし、これで起業をしよう」という考えに至りました。

当時の僕の職場は、残業が多く、起業に使える時間は日に2時間が限界でした。そこで、どうにかして起業に使える時間を増やす方法を模索しました。フリーターをすれば残業がないので、起業の時間を増やせるのではないかという考えもありましたが、当時の僕は、何の取り柄もないくせに、プライドだけは高かったので、「フリーターとして働くなんて、そんな惨めなことは絶対したくない」と思っていました。

そんな折、1つの名案がひらめきました。今思うと、とても恥ずかしい内容なのですが、「会社を辞めて、失業保険を貰いながら、ブログを更新しよう」というものです。失業保険(雇用保険)とは、その名の通り、会社を退職(失業)した人に対して、国が給付金を支払う制度です。失業保険を、受給するには就業期間が12ヶ月以上(一部条件を除いて)という条件があります。ちょうどそのとき、僕が勤めていた職場の就業期間が12ヶ月を迎えようとしていました。今ある貯金と失業保険を合わせれば、6ヶ月間は暮らせる状態でしたので、「6ヶ月間、家に引きこもりながら、ブログを更新すれば、月収50万円も達成できる、このタイミングで会社を辞めよう」と決意しました。

当時勤めていた会社の就業期間が12ヶ月を迎えたとき、晴れて僕は無職になりました。さっそく、失業保険の手続きをしに職安に行きました。そこで僕は大きな過ちを犯していたことに気がつきました。その過ちとは、失業保険を受給するための就業期間が数日足りていなかったのです。僕は失業保険を受給できないということです。

失業保険を受給できなくなってしまったので、僕の計画は大きく崩れました。今ある貯金だけでは、どう頑張っても、3ヶ月ほどしか生活が出来ないのです。ということは、僕のタイムリミットは3ヶ月間です。不安と恐れと焦りを感じながら、3ヶ月の間、必死にブログを更新していました。しかし、ここでも大きな誤算に気がつきます。それは、「時間があればやれるという」罠です。会社をやめて時間が増えれば、作業も増えると考えていたのですが、不安や焦りのせいもあってか、作業量は思ったほど増えていませんでした。

ほどなくして、タイムリミットまでの3ヶ月間が経過しました。そのときの僕の収入は月に5000円ほど。完全にアウト。「な~に~~やっちまったな!」状態です。今振り返ると、なるべきしてなってしまった状態で、あまりにも短絡的な行動に笑ってしまいます。しかし、当時の僕は笑える精神状態ではなかったでしょう。そして、タイムリミットを迎えた僕は、バイト求人情報誌を片手に電話を掛けていました。電話が繋がってからの僕の一声はこうです。「あのー、アルバイトの採用の件でご連絡させて頂いたのですが・・・。」

それから、数回のアルバイトの面接を受けて、あれほどまでに嫌がっていたフリーターに見事になることが出来ました。これが、フリーターである自分との出会いです。

ひとり孤独で寂しいフリーター生活

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晴れて、フリーターになった僕は、ひとり孤独で寂しいフリーターを1年近く経験しました。思ったように収入が増えないブログの更新頻度は徐々に減り、会社を辞める前に希望に満ち溢れていた気持ちは消えていきました。将来への不安や恐れ、焦りを感じ、単調な作業を繰り返すだけの毎日を送る自分を卑下する生活の始まりです。

このとき、バイト先の同僚やプライベートの友人などに心を打ち明けることが出来たなら、いくらか気持ちは楽になったでしょう。しかし、当時の僕には出来ませんでした。友人からの連絡を返すことすら出来なかったほどです。親戚や家族などの集まりにも行けませんでした。なぜなら、他の人から「いまなにしてるの(何の仕事をしてるの)?」という質問をされることが、怖くて仕方がなかったからです。

日々、自分の心がすさんでいくことを実感していました。このままではまずいと思い、バイトが休みの日は気分転換をしようと、ひとりで出掛けます。けれど、出掛けた先では、みんなが楽しそうに遊んでいる光景が目に入りますが、自分はひとりぼっち。ひとりでいることの寂しさ、フリーターであることの恥ずかしさが、よりいっそうに増えてしまいます。気分転換に出掛けたのに、逆に気分は落ちてしまうという悪循環を繰り返していました。

フリーターである自分を苦しめていたのは過去の自分

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当時の僕をここまで苦しめていたものは、いったい何だったのでしょうか。今になって分かることですが、フリーターの生活そのもの事態が僕を苦しめていたのではないということです。では何が僕を苦しめていたのか。それは、過去の自分自身です。

フリーターを経験する前の僕は、フリーターをしている人間を軽蔑していました。なぜなら、僕らが生きる現代の日本社会では、フリーターに対して「負のレッテル」が貼られているからです。フリーターに対してのネガティブな情報を浴びてきた僕は、当然のように、「フリーター = 悪」と考えていたのです。

ですので、僕の過去の考え、すなわち、「フリーター = 悪」が、フリーターである自分を苦しめていたのです。職場で心をひらけなかったのも、友達の連絡を返信できなかったのも、親戚や家族の集まりに行けなかったのも、「フリーター = 悪」、この考えを全ての人が、過去の自分と同じように持っていると思っていたからです。

フリーターをバカにする正社員に伝えたいこと

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僕の経験を踏まえたうえで、フリーターをバカにする正社員(特にホワイトカラーの職で正社員として働く人)に伝えたいことは、今後ますます不安定化が進むと予想される労働市場では、正社員として生き続けることは困難なことであり、逆に言えば、誰しもが、フリーターになる可能性がある(一時的でも)ということです。今現在、正社員として働いてる人で、フリーターをバカにしている人間が、フリーターになったとき、過去にフリーターをバカにしていた度合いが大きいほど、自分が苦しめられることになることを知って欲しいのです。

ここで伝えたいのは、正規雇用、非正規雇用の善し悪しではなく、不安定化が進む労働市場で、今現在、自分が所属している正規雇用だけを肯定し、非正規雇用を否定するような排他的な考えは、この先の日本社会で生きて行くのに大きなリスクを伴うので、今すぐ辞めるべきであって、労働に対して柔軟に考えるべきであるということです。

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